皆様こんにちは!
工場長の高宮です(^^)
いつもブログをご覧になっていただき、ありがとうございます!
今回も空力についてのお話です。
「車を安定させる事だけでなく、燃費の向上も重要である」
ざっくりと前回はこんな内容でした。
ダウンフォースで地面に押さえつければ車は安定しますが、空気抵抗や路面からの抵抗が大きくなってしまい燃費は低下していきます。
空気抵抗を低く抑えたままダウンフォースを稼ぐ方法も多々ありますが、市販車での採用は構造的にも難しい側面があります。
詳細は省きますが、ウイングカー構想、ファンカー、等々…とても大量生産には向きません。
一部のスーパーカーには搭載されていたりします。
前回はボディ上面、リアウイングをご紹介しましたが今度はボディ下面、アンダーパネルです。
普段は見ることのない車の下側ですが、年々カバーで覆われている箇所が増え、平らになっていっております。
これには理由があり、ボディ下面をできるだけフラットに成型することで、空気の流れを整え、乱流を防ぐためです。
空気に乱流が生じると、車両が不安定になったり空気抵抗になったりしますので、きれいに”いなす”事が出来ればそれだけ燃費を向上させることに繋がります。
(流速が上がれば密度が下がりますので、ダウンフォースも多少は発生するとは思いますが、恐らく乱流対策と空気抵抗(cd値)改善に主眼が置かれているはずです。)
次に下回りで空気抵抗になりそうなものは何でしょうか?
それはタイヤです。
タイヤ周辺の空力は昔からの課題で、いかんせんタイヤは円形から形を変えることはできませんので、あの手この手で工夫を凝らしてきた歴史があります。
F1ではタイヤそのものの外形を小さくすることで前面投影面積を減らす試みがあり、一定の効果は得られましたがブレーキ容量も低下する為に苦しい戦いを強いられました。(後に6輪化される事に)
市販車はタイヤをボディが覆っていますので、外形の変更はあまり効果がありませんが幅は影響してきます。
C5Xが205/55R19という直径のわりに細いタイヤを履いているのは、これの対策ですね。(プジョー508は235/40R19)
さらに、写真にあるタイヤの前にせり出しているものが分かるでしょうか?
これはストレーキと呼ばれるもので、あえて障害物を設置することで、タイヤに当たる空気を抑制します。
特にハンドルを切った時の影響が大きく、このストレーキが効果を発揮するそうです。
C5Xはさらにホイールにもフィンを設置しており、今回のシトロエンは徹底的にタイヤ周りの整流に力を入れていますね。
それではまたお会いしましょう!
高宮でした(^^)ノシ